2007年05月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

« 「 M 」十回目 | メイン | 「 M 」十二回目 »

「M」十一回目

緒方の手に当たりがあった。

「あった!」

緒方は、スコップを置くと指で土を掘りだした。

中から不気味な色合いの物が現れた。

骨だ!頭蓋骨を緒方は、持ち上げた。そのひだりがわに陥没があった。

ゆかりは、緒方を見た。

「やっぱりな」

緒方は、そういうと遠くを見つめた

「老夫婦の死体なのね?」

「まちがいない」

「じゃあ、あの旅館の夫婦は何者なの?たけし君もおかしいっていうの?」

ゆかりは、悲痛な声を出した。

緒方は、ゆかりを見ると、

「ひょっとしたら、貴方は、病気ではないかもしれない。今いえることは、一人で旅館に戻らない方がいいってことだ」

緒方の車で、旅館に向かっていた。とりあえず、緒方が一緒に来てくれることになった。

緒方も旅館で確かめたいことがあるという。直接、その夫婦に会いたいというのだ。

ゆかりは、少し安心した。一人では、あの旅館に戻れない。あの死体を見たばかりなのだ。

ゆかりは、窓の外を流れていく針葉樹の林をボーっと眺めていた。

「!?」

その時だった。ゆかりは、窓ガラスに顔を押しつけた。

高い木のてっぺんに何かがいたのだ。走ってる車からだったから、はっきりとは見えなかった。

ほんの一瞬、ゆかりの目にうつったもの。触手を四方八方に伸ばした巨大な蜘蛛のようなシルエットが、木の枝と枝の間にへばりついてるように見えたのだ。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kaijyuu.com/blog/mt-tb.cgi/69

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)