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「 M 」十回目

緒方の車は、村のはずれにある荒涼たる空き地に着いた。

墓らしきものは何も無かった。

緒方は、車を降りると、スコップでしかるべき場所を堀り始めた。

この村では、この場所で死体を焼き、身内の要望があればこの場所に直接埋めるのだと緒方はいった。

「ここに老夫婦の死体があれば、どういうことになるの?」

ゆかりは、問うた。

「湯治屋にいる夫婦は、老夫婦でないことになる」

緒方は、手を休めず答えた。

「ここに埋まってる遺体が老夫婦のものだと証明できるの?」

「言ったろ。二人は頭を強く打って亡くなった。その傷痕が目印だ」


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